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2018 年度 実施状況報告書

幼児期の協同的な創造・表現を支える素材環境の検討

研究課題

研究課題/領域番号 17K13984
研究機関奈良教育大学

研究代表者

佐川 早季子  奈良教育大学, 学校教育講座, 准教授 (90772327)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード造形表現 / 素材 / 協同 / 遊び / 創造性
研究実績の概要

本年度は,今後アクションリサーチを行うため,造形表現における素材環境についての先行研究レビューを行い,協同的な造形表現を支える素材環境についての仮説を構築した。その上で,幼稚園5歳児クラスでの観察・インタビュー調査を行ない,上記の仮説が具体的に,どのように子どもの姿に応じて実践されているかを観察した。
先行研究レビューでは,日本の保育における造形表現活動を支える素材環境を捉えなおすため,幼稚園教育要領などのカリキュラム,保育者養成校テキストほか文献の内容を整理した。日本の保育における造形表現活動の特徴としては,表現活動の原点として感性の育ちを重視し,身近な自然環境の中での探索活動,そして,「感性や感覚を陶冶する基礎教育」として素材とかかわる遊びが行われている。さらに,「遊びの中の造形表現」として,製作コーナーに,空き箱や紙芯などの廃材や生活素材などが置かれ,子どもが遊ぶためにつくる,つくったもので遊ぶことを通して表現と遊びがつながる中で,子ども同士で想像上の意味世界を協同的につくり出す創造性が見られる。このような造形表現活動を支える環境として,身近にある草や花の形や色など自然の中にある音,形,色などに子どもが能動的にかかわることのできる自然環境,子どもの多様な表現の個性に応じて素材を用意する環境があるという仮説を立てた。
幼稚園での観察・インタビュー調査では,保育者が子どもたちの遊びの展開に応じて,保育者は,子どもの遊びの展開に応じて素材を足し引きし,素材を提案する場合でも,素材の使い方を保育者側がすべて提案するのではなく,子どもに問いかけ,子どもの声を聴きながら,子どもが自ら「試す」「繰り返す」「失敗する」ことができるように,素材環境を構成していた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

アクションリサーチのために,先行研究レビューに基づいた仮説構築を行うことを優先し,本年度実施予定であった保育観察・インタビュー調査の成果発表が遅れているため。

今後の研究の推進方策

個別具体的な状況での素材環境の構築に関する保育者の実践知を観察・インタビューにより明らかにし,次年度に実施する調査の仮説をより頑健なものとする。その上で,私立保育所でのアクションリサーチを行う。

次年度使用額が生じた理由

年度末に残額997円分の買い物をする時間を確保できなかったため。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] レッジョ・エミリアの視点から読み解く日本の保育の営み2019

    • 著者名/発表者名
      佐川早季子
    • 学会等名
      日本保育学会第72回大会

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公開日: 2019-12-27  

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