研究課題/領域番号 |
17K13994
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研究機関 | 滋賀県立大学 |
研究代表者 |
原 未来 滋賀県立大学, 人間文化学部, 准教授 (90760603)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 若者支援 / Narrative Inquiry |
研究実績の概要 |
本研究では、〈若者支援〉現場でNarrative Inquiryをおこなうことによって、実践者が自らの実践を言語化する作業を創出し、当該実践の深化と実践者の専門性育成を図る過程を生み出しつつ、研究としては以下の点を明らかにすることを目的としている。 ①Narrative Inquiryによる実践の深化・変容の過程と、その深化の核として捉えられる要素を明らかにすること ②実践深化とかかわる〈若者支援〉の専門性について、実践者が言語化・意識化・身体化する過程も含めて明らかにすること ③〈若者支援〉にNarrative Inquiryを用いることの意義と課題を明らかにすること 初年度となる2017年度は、〈若者支援〉現場とのNarrative Inquiryを実施するための土台形成に時間を要した。Narrative Inquiryは非常に複雑な教育実践研究方法であるため、その協同遂行者となる実践者と同方法論についての学習・共有をおこない、ストーリー概念への認識を深めた。また、それを以って、〈若者支援〉現場に参画する若者のストーリー分析を一部開始した。ストーリーという視点を獲得することによって、実践者の若者への理解が若者を主体としたものに変化しうる可能性が見出されている。なお、実践者と共におこなわれたストーリー検討はすべて記録化し、今後、実践者の見方・視点・意識等がどのように変化していくのか(そこにどのように専門性がかかわるのか)、検討材料として蓄積している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
Narrative Inquiryは非常に複雑な教育実践研究方法であるため、その概念を現場参画者と共に正確に把握し共有することが困難であった。時間をかけて共通理解を形成していく必要がある。 また、研究者の多忙により現場への参画が当初計画していたよりも限定的となった。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、実践現場とのNarrative Inquiryの概念共有をおこないつつ、若者のストーリー分析をさらに進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究者の多忙により現場への参画回数が計画当初より減ったこと、また、それに伴う記録化の減少から、差額が生じている。次年度は、検討会が増え記録化の作業が増えることから、そちらに転用する。
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