本研究は、ドイツにおいて1990年代以降発行されたドイツ語、算数、事実教授の代表的な基礎学校用教科書12シリーズを質的に分析し、下記の三点を明らかにした。①1990年代以降のドイツの基礎学校の教科書において、協同学習が教科の差異なく導入されている。②基礎学校の教科書の構成に対する教育スタンダードの影響力が2010年頃を境に急速に強まっている。③基礎学校の教科書における学びのインクルーシブ性に対する意識も、2010年代以降急速に高まりつつあるが、個別支援への特化は学びの真正性を危機にさらす可能性もある。
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