研究課題/領域番号 |
17K14009
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研究機関 | 上田女子短期大学 |
研究代表者 |
山本 一生 上田女子短期大学, その他部局等, 講師 (70722578)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 教育史 / 対日協力政権 / 山東省青島 / 帝国日本 / 国民教育制度 |
研究実績の概要 |
本課題3年目の2019年度においては、第一に華北占領期(1938-45)、第二に戦後国民政府期(1945-49)での中国山東省青島の学校教育の実態解明を進めた。 前者について、昨年度教育史学会での報告を元に、「華北占領期の公立小学校における学生の属性-青島特別市を事例として-」(『日本の教育史学』第62集、教育史学会)を刊行した。この論文では、華北占領期(1937―1945)の青島特別市における公立小学校を対象とし、それらに所属した学生の属性を分析することで、対日協力政権による義務教育の実態を解明することを目的とする。以上の検討を経て、華北占領期においても対日協力政権によって地域の私教育から公教育に包摂される漁村地域と公立小学校間で移動する工業地帯、さらに小学校卒業まで期待される男子と期待されなかった女子という重層的構造を解明した。 後者について、2019年9月にアジア教育史学会第28回大会(中部大学)にて「戦後国民政府による公立小学校の「接収」と「再編」-山東省青島を中心に-」を発表し、その内容を元に「青島における公立小学校の「接収」と「再編」-戦後国民政府期を中心に-」(『中国研究月報』vol.74 no.3)を刊行した。この論文では青島という一都市の公立小学校に焦点を当て、日本の敗戦後に「収復区」として「接収」された青島の公立小学校が重慶国民政府の「国民教育制度」によって再編される過程を分析する。こうした分析によって、「戦前/戦後」の連続面と断絶面を具体的に検証した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2019年度中に、査読論文2本の掲載の機会を得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度となる2020年度は、これまでの研究の蓄積をまとめ、さらなる研究の進展を図るべく基礎資料の整理、データ作成を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究会への出張を予定していたが、新型コロナウイルス感染予防のために研究会が中止となり、出張を取り消したため。
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