| 研究課題/領域番号 |
17K14028
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| 研究機関 | 弘前大学 |
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研究代表者 |
原 郁水 弘前大学, 教育学部, 講師 (50794129)
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| 研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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| キーワード | レジリエンス / 精神的回復力 / 特別活動 / 学校行事 / 遠足・集団宿泊的行事 / 自然体験活動 / 部活動 |
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| 研究実績の概要 |
子どもを取り巻く環境の急速な変化を背景に、学校教育に求められるものは多様化しており、学校における教育活動の過程やその効果を明らかにすることが求められている。本研究では近年学校において体験的活動が重視されていることに着目し、学校での体験が児童生徒のレジリエンス（精神的回復力）に及ぼす影響を検討する。特に特別活動の中の学校行事は平成28年度改訂版小学校学習指導要領においてその目的を「全校又は学年の児童で協力し，よりよい学校生活を築くための体験的な活動を通して，集団への所属感や連帯感を深め，公共の精神を養いながら，第１の目標に掲げる資質・能力を育成することを目指す。」と明記されており、体験的な活動が重視され多くの活動が行われている。レジリエンスは学校における体験によって高まることが示唆されているが、具体的にどのような体験がどういったレジリエンスに影響を与えるのかということは明らかになっていない。
本年度はまず、学校における体験がレジリエンスに及ぼす影響に関する各種の基礎的調査研究を行った。具体的には中学生の学校における1ヶ月間の体験とレジリエンスの変化量に着目した調査研究や、小学生の自然体験活動とレジリエンスの変化量に着目した調査研究を実施した。これらの調査の一部を「学校における1か月間の成功経験・失敗経験が中学生のレジリエンスに及ぼす影響」「集団宿泊行事において養護教諭による対応が児童のレジリエンスに及ぼす影響」として学会誌等で公表または公表予定である。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は学校行事における体験が児童生徒のレジリエンスに与える影響を明らかにすることを目的にしている。本年度は基礎的調査として、学校行事に限らない学校における体験が中学生のレジリエンスに及ぼす影響と、小学校における自然体験が児童のレジリエンスに与える影響について調査し、その一部を論文として公表した（一部印刷中）。その中で、学校生活全体においては自ら努力し、かつ成功するという要素が、自然体験活動においては、困難を感じたときに他者からサポートを得るという要素がレジリエンスとかかわっているということを明らかにした。これらの研究結果は、学校行事の中でただ単に体験をすればよいということではなく、体験の中でいくつかの重要な要素があるということを示しており、本研究の目標である学校行事における体験の中で共通する要素や固有の要素を明らかにし、レジリエンスとの関連を検討することにつながる。そのため、まずは研究における第一段階を達成したと考えられる。以上より、本年度の達成度はおおむね計画通りに進んでいる。
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| 今後の研究の推進方策 |
本年度は、調査研究のために小学校に出向き調査を行った。またデータ分析のためのソフトウエアおよびパソコン、周辺機器などを購入している。物品費の比率が予定よりやや高くなり、謝金や、旅費が予定より少なくなっている。
今後は、本年度の結果を基に、さらに小学校や中学校での調査を行い、それによって学校行事が児童生徒のレジリエンスに与える影響について引き続き検討する予定である。行った調査結果の分析の効率をあげるための消耗品等の物件費をさらに予定しているほかに、データ入力や分析のための人件費や、情報提供者に対する謝金、連絡交流のための旅費、成果報告のための費用などに研究費をあてる予定である。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
本年度謝金として予定していた金額の使用がほとんどなかったことと、旅費での使用が少なかったため、次年度使用額が生じた。次年度使用額に関しては、今年度使用しなかった分の調査や結果の分析などへの謝金と、研究成果の発表等のための旅費、また、データ分析などのための物品費に使用する予定である。
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