研究課題/領域番号 |
17K14032
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
三橋 さゆり 埼玉大学, 教育学部, 准教授 (70758440)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 教員養成 / 音楽 / 表現 / 幼児 |
研究実績の概要 |
2020年度は、①音楽づくりにおけるアイデアの発想に関する理論的枠組みの精緻化、②図形楽譜を介した音楽づくりの活動における表現の伝達と音楽づくりの創発に関する分析の2点を行った。 まず①に関しては、これまで、保育者養成の授業を受講する学生が、音楽づくりの活動において、身近な素材を用いて他者と協働で音素材に触れながら音楽をつくる過程でアイデアを発想し、音楽を構成していくプロセスに関する概念を抽出し、それらの関連における理論的枠組みを検討してきた。今年度はこれに新たなデータを加えて再分析を行い、理論的枠組みの精緻化を行った。具体的には、音楽づくりのアイデアの発想にどのような要素が関連しているかについて、特に学生個人のアイデアの発想とそれに基づいて生じる学生同士の相互行為という視点で分析と考察を行った。そして、この枠組みに基づいて、音楽づくりにおけるアイデアの発想に関する要素や要素間の関連を検討した。 ②に関しては、学生が音楽をつくり、その音楽を描画で表す活動と、その描画を他の学生と交換して、他者の作成した描画を図形楽譜として読譜しながら音楽を再構成し、演奏する活動に関するデータを検討した。検討の内容としては、描画及び音楽等の学生が作成した成果物や省察を分析し、他者の演奏や図形楽譜から学生が表現の意図をどのように解釈したのか、それに基づいて自分たちの音楽を創発するために何を思考し、音楽へと構成していくのかを探った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
音楽づくりにおけるアイデアの発想に関する理論的枠組みの精緻化に関しては、新たなデータを加えて再構築し、理論的枠組みを精緻化できたものの、新型コロナウイルス感染症の影響により、授業形態に変更が生じたため、これまで行っていた実践プログラムの検証に関しても見直しを行う必要があった。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、これまでに収集したデータの分析結果を学会誌で発表し、学生が表現する力を獲得するための実践プログラムに関する枠組みを提案する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の影響で、学会の旅費に関する支出がなくなった。次年度は、論文の掲載に必要な頁超過分の支払いに使用する他、データの分析に必要な物品等に使用する予定である。
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