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2019 年度 実績報告書

証明の構想における議論の蓋然性に着目した問題解決・問題設定の促進

研究課題

研究課題/領域番号 17K14033
研究機関千葉大学

研究代表者

辻山 洋介  千葉大学, 教育学部, 准教授 (10637440)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード数学教育 / 証明の構想 / 証明の構成 / 問題設定 / argumentation / 学習過程 / 蓋然性 / 多様性
研究実績の概要

証明学習において,生徒が自立的・協働的に証明問題の解決・設定に取り組む活動の重要性が指摘されているが,学習指導の具体的な指針はいまだ明らかではない。この指針の解明を見据え,本研究は,証明の構想における議論(argumentation)に焦点を当て,その議論を証明の構成(問題の解決)にいかす活動,及び新たな問題の設定にいかす活動を促進するための教材と指導法を考案することを目的としている。
この目的に対し,令和元年度は,交付申請書に記載の研究実施計画の通り,本備調査の計画,実施,分析,及び教材と指導法の検証に取り組んだ。具体的には,まず,前年度の予備調査の分析と追加の先行研究の知見をもとに,中学校の代数,図形,確率の3領域においてそれぞれ2時間構成の本調査の計画,実施,分析を行い,学会での口頭発表と論文によって成果を発表した。そして,成果発表時にいただいた専門的知見を踏まえ,本調査をそれぞれ再分析し,教材と指導法の検証を行った。
このように,生徒が自立的・協働的に証明問題の解決・設定に取り組む活動を促進するための教材と指導法を,理論的考察と実践的考察を総合して開発していくことができた。
他方,教材と指導法の検証の過程で,課題と示唆として次の3点が得られた。第一は3領域における本調査を総合的に分析する必要性,第二は蓋然性に加えて多様性に焦点を当てる必要性,第三は教材と指導法の前提として3領域に共通する一般的な学習過程を構築することができそうであるという示唆である。このうち第一と第三の点について,申請時には予定していなかった質問紙とインタビュー調査にもとづく量的及び質的な分析を追加で行うことにし,研究期間内(令和2年3月)の実施を目指して調査問題の作成等の準備を行っていたが,休校により調査を実施することはできなかった。次年度以降に引き続き実施,分析,検証を進める予定である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2020 2019 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [国際共同研究] University of Bremen(ドイツ)

    • 国名
      ドイツ
    • 外国機関名
      University of Bremen
  • [雑誌論文] 中学校数学科における多様なモデルの解釈・評価・比較に焦点を当てた確率の学習過程:根元事象と同様に確からしいことの意識化を視点として2020

    • 著者名/発表者名
      小林隆義,辻山洋介
    • 雑誌名

      日本数学教育学会誌『数学教育』

      巻: 第102巻第1号 ページ: 3-14

    • 査読あり
  • [学会発表] 科学教育の内容・活動に固有な非認知的スキルの評価法の開発:領域「データの活用」における調査結果の考察2019

    • 著者名/発表者名
      辻山洋介,青山和裕,小松孝太郎,永田潤一郎,吉川厚
    • 学会等名
      日本科学教育学会 第43回年会
  • [学会発表] 授業過程の研究手法としてのアーギュメンテーション分析2019

    • 著者名/発表者名
      真野祐輔,David A. Reid,小松孝太郎,辻山洋介
    • 学会等名
      日本科学教育学会 第43回年会
  • [学会発表] 図形の求答問題をもとにした数学的探究を実現する教材開発:公立中学校での実践を通して2019

    • 著者名/発表者名
      加藤幸太,辻山洋介
    • 学会等名
      日本数学教育学会 第52回秋期研究大会
  • [学会発表] 問題設定における証明の説明性の顕在化:中学校数学科における実践を通して2019

    • 著者名/発表者名
      辻山洋介,佐久間淳一,垣野内将貴
    • 学会等名
      日本数学教育学会 第52回秋期研究大会

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公開日: 2021-01-27  

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