1年目は,数学的モデル化過程におけるメタ認知の役割を明らかにし,2年目は,数学的モデル化過程における練り上げの効果について理論的考察を行ってきた。 最終年度は,これまでの研究結果に基づき,数学的モデル化過程を含む授業において,練り上げを数学的モデル化の各過程(定式化,解決,文脈化,検討)において実施することにより,メタ認知の育成及び,数学的モデル化能力育成に向けた指導実践を行う予定であった。 これまでの研究結果から,数学的モデル化過程において練り上げを実施することにより,経験の少ない問題解決過程であったとしても,他者モニタリングを中心としたメタ認知技能と,間主観的なメタ認知的知識の相互作用により,数学的モデル化過程に対するメタ認知の育成が見込まれ,数学的モデル化能力の育成に繋がることが期待されていた。 しかし,新型コロナウイルスの感染拡大により,3ヵ月程度の実践計画を立てることができず,最終年度に実施する予定であった実証実践を断念することになった。
|