本研究は、演奏家のための身体法"ディスポキネシス" を援用し、ピアノ演奏における手指の巧緻運動能力の向上を図る演奏指導プログラムを提案することを目的としている。 ピアノ学習者10名を対象とした実践において次のような結果が得られた。指先に伝達する力を緩めず、指先以外の動作筋収縮を緩和させることを意図した動きの実践後、演奏課題の評点平均値が向上した。とりわけ、難易度の高い課題において、評点の大幅な向上が確認できたことから、手指の巧緻運動能力を向上させるのに有効であると示唆された。これらの研究成果の発表、ならびに演奏家のための身体法の普及を目的として、「演奏身体法に関する講座と演奏会」を開催した。
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