研究課題/領域番号 |
17K14040
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
安積 京子 愛媛大学, 教育学部, 准教授 (70707603)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 少子化社会 / 出生率 / 音楽教育 / 音楽高校 / 短期大学音楽科 / 廃科・閉校 / 公立化・4年制化 |
研究実績の概要 |
日本は世界的にも経験したことのない急速な少子高齢化社会を迎えており、今後18歳未満の人口減少が顕著になる。少子化社会を迎え音楽教育機関で学ぶ生徒数の減少や定員割れなどの社会問題が深刻化する。本研究は、初等教育(幼稚園・小学校)、中等教育(中学校・高等学校)、高等教育(短期大学・大学・大学院・海外留学)の各段階を俯瞰し、少子化社会の音楽教育に与える本質的な問題を分析し、その具体的な対応策を提案することが目的である。日本と同じ少子化社会にあるアジア(韓国・中国)、欧州(ドイツ・スウェーデン)の3か国・地域の比較研究(Comparative Study)として論じる計画である。 初年度の平成29年度は、前期を中等教育の切り口から日本の音楽高等学校の課題と対応策に焦点を当て「存続の岐路に立つ日本の音楽高等学校の課題と対応策-募集停止校11校の事例研究を通して-」としてまとめ上げ、愛媛大学教育学部に8月末に寄稿した。同原稿は、同年12月に「愛媛大学教育学部紀要」第64巻の297~312頁に正式に論文として掲載された。 同年度後期は、高等教育段階の切り口から日本の短期大学音楽科の課題と対応策に焦点を当て「消滅の危機に瀕する短期大学音楽科の実態への一考察-24校の廃科の事例研究を通して-」としてまとめ上げ、愛媛大学教育学部に2018年3月末に寄稿した。同原稿は、2018年8月に発行予定の「愛媛大学教育実践総合センター紀要」第36号に論文として掲載される予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成29年度後半は産前産後休暇の取得に伴い、当初予定していた研究の順序を入れ替えることになった。平成29年度の研究実施計画においては、欧州におけるピアノ教育の実態調査を行う予定であったが、平成31年度に回す。今年度は平成30年度に計画していたアジア(韓国)におけるピアノ教育の実態調査を先に行った。その他においては、ほぼ計画通りの進歩で、査読なし論文ではあるが2本の論文を提出することができた。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度は育児休業の取得に伴い1年間研究を中断する。 平成31年度前期は韓国(ソウル市)と中国(上海市、北京市、天津市)の大学を含む音楽教育機関へのインタビューを実施し、韓国と中国の各々の「少子化社会の音楽教育の課題と展望」を論文として完成する。その結果を日本音楽表現学会および日本音楽教育学会の全国大会で発表し、その後査読論文として投稿予定である。 同年度後期は、ドイツとスウェーデンでのインタビューと現地調査を行い、それを踏まえて、クラシック音楽の本場である欧州の「少子化社会の音楽教育の課題と展望」を実証的に分析し論文にまとめる。 以上の調査、分析、論文化を踏まえて、平成32年度に科研承認テーマの「日欧亜比較研究による少子化社会・日本のピアノ教育の中長期課題と対応」を正式論文として完成し、同年度の日本音楽教育学会全国大会で発表する。
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次年度使用額が生じた理由 |
産前産後の休暇および育児休暇の取得により当初の計画通りに研究が実行できなかったため。
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