研究課題/領域番号 |
17K14040
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
安積 京子 愛媛大学, 教育学部, 准教授 (70707603)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 少子化社会 / 出生率 / 音楽教育 / 中国ピアノ教育 / 韓国ピアノ教育 / ドイツピアノ教育 |
研究実績の概要 |
2010年代に入り、日本はかつて世界が経験したことがない急速な少子高齢化社会を迎えており、今後18歳未満の人口減少が顕著になる。少子化社会を迎え音楽教育機関で学ぶ生徒数の減少や定員割れなどの社会問題がさらに深刻化する。本研究は、初等教育(幼稚園、小学校)、中等教育(中学校・高等学校)、高等教育(短期大学・大学・大学院・海外留学)の各段階を俯瞰し、少子化社会の音楽教育に与える本質的な問題を分析し、その具体的な対応策を提案することが目的である。日本と同じ少子化を迎えるアジア(韓国・中国)、欧州(ドイツ・スウェーデン)の3カ国・地域の比較研究(Comparative Study)として論じる計画である。
令話3年度は、少子化を迎えたドイツの高等音楽教育について、ドイツの音楽大学教授やピアニスト計6名にインタビューした内容をまとめ上げた。クラシック音楽の本場であるドイツの少子化における音楽教育の現状と展望について分析した論文「少子化社会ドイツの高等音楽教育現場への一考察 - 日本の音楽教育へのインプリケーション - 」は、愛媛大学教育学部紀要 第68巻 p.161ー p.175 に掲載された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和3年度は、当初の予定通り、ドイツのピアノ教育における現状と課題について査読なしの論文ではあるが、論文として正式に掲載された。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度は、当科研費テーマ「日欧亜比較研究による少子化社会・日本のピアノ教育の中長期課題と対応」の総括論文を執筆する。既掲載の同テーマ論文である「日本編」(論文数3本)、「中国編」(同2本)、「韓国編」(同1本)、「ドイツ編」(同1本)に加えて集大成とした結論編ともいうべき「総括編」論文の執筆予定である。なお、本テーマの調査対象国を欧州については、当初のドイツ・スウェーデンの2カ国からコロナ禍の終息が見通せないことにより最終的にはドイツ1カ国にする。
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次年度使用額が生じた理由 |
2022年3月末現在、日本や欧州におけるコロナ禍が2年半の長きにわたり続いており、本格的な終息の兆しが見られない。そのため、当初2020年度に予定していたスウェーデンへの現地インタビューは2021年度もできず、渡航にかかわる旅費・宿泊代などの実費は発生しない。2022年度提出予定の本テーマの総括論文『日欧亜比較研究による少子化社会・日本の高等音楽教育の中長期課題と対応』(仮題)執筆にあたっての追加国内インタビューや関連書籍の購入費用に一部または全額を引き当てたい。
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