研究課題/領域番号 |
17K14052
|
研究機関 | 創価大学 |
研究代表者 |
上山 伸幸 創価大学, 教育学部, 講師 (40780325)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | 話し合い学習指導 / 文字化資料 / 小学校国語科 / メタ認知 |
研究実績の概要 |
平成30年度は、小学校国語科における話し合い学習指導に関する実証的研究を推進するため、大きく分けて以下の3つの研究に取り組んだ。 1点目は、小学校高学年を対象とした授業研究の実施である。平成29年度に実施した授業研究の結果を踏まえながら、小学校5年生にタイプの違う話題を提示した際にどのような反応が見られるかを調査した。小学校教諭に協力を依頼し、共同研究において授業開発を試みた。授業観察の結果、異なるタイプの話題を意識的に使い分ける指導の有効性が示唆された。 2点目は、小学校低学年を対象とした指導方法の検証である。本研究の課題であった低学年の指導方法について検討するため、授業記録の分析を行い、指導方法の有効性を検証した。本研究が着目しているメタ認知を促す話し合いの学習指導方法は、教師の働きかけによって小学校低学年においても機能する可能性があることが示唆された。具体的な教師の働きかけとしては、振り返り活動において「焦点化した観点の提示」を行ったり、「比較の思考が働く発問」を投げかけたりすることが挙げられる。 3点目は、小学校の全学年を対象としたカリキュラムに関する検討である。これまでに収集したデータをもとに、小学校におけるカリキュラムのあり方について検討を行った。メタ認知を促す話し合いの学習指導方法は、多様なバリエーションを伴って小学校段階で実践可能なことが明らかとなった。今後は、中等教育段階における調査を併行して行うことで、初等・中等教育段階におけるカリキュラムの構築を目指したい。 以上のように、本年度は各学年段階を対象とした調査と検証を進めながら、カリキュラムとしての検討を併行して行うことができた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究の目的は、小学校の各学年段階での授業開発を通した「話し合い学習指導論モデル」の修正・再構築である。平成30年度は、課題となっていた低学年の指導方法の検証とカリキュラムに関する検討を実施することができた一方、平成29年度に実施した授業研究に関する分析に遅れが生じている。以上のことから、現在までの進捗状況を区分のように評価した。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は、これまでに収集したデータの分析を進めることで研究課題の解明を目指す。また、中等教育段階における話し合い学習指導の実態を調査することが小学校段階のカリキュラム開発において重要であることが判明したため、追加の調査を実施することで対応する予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
授業研究の打ち合わせを円滑に実施したことにより、調査期間を短縮することができたため次年度使用額が生じた。新たに必要となった実態調査を実施するための旅費及び物品の購入費用として使用する予定である。
|