本研究では、聴覚障害学生の意思表明スキル獲得および活用過程を明らかにするため、当事者6名の語りを質的に分析した。その結果「獲得前段階」「前期獲得段階」「後期獲得段階」「活用段階」の4 つの段階に整理できた。 情報が得られずともわからないままにしていた段階から、情報保障体験を通して意思表明の必要性や支援利用の必要性を認識し、支援者養成への参加や自己を語る経験を経て自分の意思を明確にし、目的意識の高まりとともに徐々に自ら意思表明していく様子がみられた。この意思表明スキル獲得および活用過程は、必ずしも直線的かつ一方向的なものではなく、循環的に発展していくという特徴が見いだされた。
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