自閉症スペクトラム障害をもつ幼児期から学童期前半の子どもを対象とし,他者とのやりとりの発達的変化に伴って,障害特性の1つである反復的行動の変容プロセスについて縦断的な観察を実施した。本研究の結果,他者とのやりとり場面での行動変容に伴って,反復的行動の出現頻度や行動の継続時間に変化がみられること,および,反復的行動のなかでも常同行動や限局行動を他者がやりとりの中でうまく「活かす」ことで遊びを展開していくことが明らかとなった。 本研究を通じて,自閉症スペクトラム障害児の反復的行動を相互交渉の中で「活かす」という視点の重要性を示すことができた。
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