窒素ドープ3次元ナノ多孔質グラフェンの電子状態を明らかにすることを目的として輸送特性の測定を行った。磁気抵抗効果とホール抵抗の測定からは、窒素ドープによる散乱効果と電子ドープを示す 負の磁気抵抗効果の増大とホール抵抗の符号反転を観測した。電気2重層トランジスタの伝達特性からは、母物質と比較して10-25倍程度電気抵抗が増大することを観測したが、抵抗on/off比は母物質における4-5程度に対して9-10程度への増大にとどまることから、窒素ドープにより0.1-0.2 eV程度のバンドギャップの形成が報告されているグラフェンとは電子状態への窒素置換効果が異なることが明らかになった。
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