本研究では、おもに超伝導体を含む多層膜に対してスピン注入を行い、スピン偏極超伝導電流の生成と検出について、その有効性を調べた。その結果、(1)スピン注入とその検出が超伝導状態の探索において有効であることを示した。(2)高スピン偏極材料CoFeAlと高い超伝導転移温度を示すNbNを用い、超伝導転移温度近傍におけるスピン吸収に関するモデル構築を行った。(3)複数のスピン吸収手法を駆使することでスピン偏極超伝導電流の検出に同方法が有効であることを示した。(4)理論グループとの積極的な議論により、新たなスピン偏極超伝導電流の生成と測定方法について示した。
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