研究課題
本年度は、長尺ファイバ共振器による全ファイバ型モードフィルタリング技術の高度化を行った。まず、frepが48.7 MHz(パルス間隔距離6.1 m)のErファイバコムを1 GHzに高繰返し化した。増倍率Mと整数m、繰り返し周波数frep、共振器のFSRの間の関係式、Mxfrep=(M+m)xFSRに基づいて、増倍率M = 21、整数m = -10とすることで、ファイバ共振器のFSRは92.9 MHzとなり、ファイバ共振器長は6.2 mとなる。これにより、21xfrep=11xFSR=1.02 GHzが成立する。次に、ファイバ共振器の分散補償を行うために、分散補償ファイバとシングルモードファイバ間の低損失な融着技術を確立し、全体の透過率として99%を達成した。これにより、分散補償がなされたファイバ共振器のフィネスを70程度に向上することができた。さらにPound-Drever-Hall(PDH)法を用いてファイバ共振器長の安定化を行った。PDHのエラー信号を得るために、単一周波数のCWレーザーを併用し、得られたエラー信号はファイバ共振器内のピエゾ素子にフィードバックすることで、共鳴信号に対し共振器長を安定化することに成功した。この共振器を用いて、frep = 48.7 MHzのコムを基に、1.02 GHz(=21x48.7 MHz)の高繰り返し化コムを、サイドモード抑制比38dBで発生することができた。今後は、更なる共振器安定化技術の開発を進めるとともに、応用への展開も検討していく予定である。
1: 当初の計画以上に進展している
分散補償ファイバとシングルモードファイバ間の低損失融着技術の確立により、分散補償されたファイバ共振器のフィネスを向上することができた。これにより、モードフィルタリングされた光コムのサイドモード抑制比を飛躍的に向上でき、前年度は11倍で25 dB程度だったものが、今年度は21倍で38 dBにできた。これにより、従来の空間型モードフィルタリング手法と謙遜が無い性能を実現できたため、一気に共振器長の安定化まで進めることができた。これらの技術により、例えば市販のモード同期ファイバレーザーでfrep=250 MHzものを用いれば、5.25 GHzの高繰り返し化コムの発生が、全ファイバ型構成で可能である。
引き続き更なる共振器安定化技術の開発を進める。また、応用への展開も検討していく予定である。
ファイバ共振器の最適化と安定化が予想より早く達成できたため。また、学会参加費、旅費が不要であった。
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すべて 雑誌論文 (19件) (うち国際共著 1件、 査読あり 19件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (46件) (うち国際学会 23件、 招待講演 2件)
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