研究課題
本年度は、ファイバ共振器による全ファイバ型モードフィルタリング技術のさらなる高度化を進めるとともに、応用として高周波数マイクロ波発生を試みた。繰り返し周波数frepが48.7 MHzのErファイバコムに対して、全ファイバ型モードフィルタリング技術を適用し、1.02 GHz(= 48.7 MHz x 21)の高繰り返し化光コムを発生した。Pound-Drever-Hall(PDH)法を用いて、ファイバ共振器の共鳴を光コム・モードに対し、高精度に安定化した(ファイバ共振器の共鳴幅1.3 MHzに対する相対安定度0.006)。さらに、ファイバ共振器を構成する、シングルモードファイバと分散補償ファイバ間にThermally Diffused expanded core fiber技術を導入することで、ファイバ共振器のフィネスを70~100程度に向上した。これにより、1.02 GHz高繰り返し化光コムのサイドモード抑制比として最大65 dBを得た。高繰り返し化光コムを、時間軸においても評価を行った結果、サイドモード抑制比の向上により、高繰り返し化されたパルス列の振幅変調は6%以下に抑制されていることを評価した。また、単一周波数CWレーザーと高繰り返し化光コムとのビート信号を検出し、光周波数領域においてもサイドモード抑制比50 dB以上(検出系による制限)の高繰り返し化光コムとなっていることを評価した。最後に、高繰り返し化光コムを用いて、10.2 GHzの高周波マイクロ波発生を行った。frepが48.7 MHzの光コムを用いると、受光素子への最大入力パワーは60 uW程度であるのに対し、1.02 GHz高繰り返し化光コムを用いることで、最大2 mW程度まで入力することができた。これにより、受光素子から最大-22 dBmの10.2 GHzのマイクロ波を直接発生することができた。
すべて 2019
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)
Conference on Lasers and Electro-Optics OSA Technical Digest (Optical Society of America, 2019), paper SW3G.2
巻: SI ページ: SW3G.2
10.1364/CLEO_SI.2019.SW3G.2