本研究は、プラズマを液相に照射することで生じる反応場を研究対象とし、ラマン分光によりその反応場の診断を行った。このような反応場は金属ナノ粒子の合成などに応用がなされている。 その結果、水分子の変角振動に起因するピークが低波数側へ移動する傾向がみられた。先行研究によれば電子が水和した水分子は変角振動周波数が低下することが知られている。本実験ではプラズマから供給された電子が水表面で水和し、水分子の変角振動ピークが低下したものと考えている。その他、プラズマを水溶液表面に照射した際に、表面水分子数が減り、水溶液表面において溶質濃度が高くなると予想されるラマン分光診断結果を得るなどの成果を得た。
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