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2018 年度 実績報告書

量子ビームを用いた酸化物超イオン伝導体に潜む強誘電性の微視的発現機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 17K14135
研究機関一般財団法人総合科学研究機構(総合科学研究センター(総合科学研究室)及び中性子科学センター(研究開発

研究代表者

石川 喜久  一般財団法人総合科学研究機構(総合科学研究センター(総合科学研究室)及び中性子科学センター(研究開発, 中性子科学センター, 研究員 (30772579)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2019-03-31
キーワード中性子回折 / イオン導電体
研究実績の概要

KTiOPO4(KTP)に代表されるAMOXO4(A:アルカリ金属, M = Ti, Zr, etc., X = P, As )は超イオン伝導性と強誘電性をあわせもつ物質である。これまでAMOXO4は変位型強誘電体とされてきたが、近年、秩序-無秩序型との共存が示唆されている。しかしながら、既存の結晶構造解析手法では、イオン拡散経路中にある自発分極の秩序化過程を決定する上で未だ不明な点も多く、その解明には新しい視点からのアプローチが必要である。
本研究では、初年度において密度分布解析に対する新規手法の開発を進めた。具体的には、最大エントロピー法のソフトウェアを構築し、X線回折と中性子回折から得られた結晶構造因子に対してMott-Bethe法を適用したX-N静電ポテンシャルMEM法を確立した。最終年度において、これら手法をもとにJ-PARC MLF BL09 SPICAにてKTiOPO4の低温下中性子粉末回折を実施した。結果、200K以上からK+ cationの原子変位パラメータにおいて顕著な変化がとらえられた。原子変位パラメータは原子・イオンの熱的挙動を反映することから、200Kを境にイオン導電体としての物性が顕著になると考えられる。実際、誘電測定における誘電損失が200Kより増大する結果と一致しており、中性子粉末回折を通して微視的機構を観測することができた。
以上の成果を踏まえ、本研究では最大エントロピー法 ソフトウェア Z-MEMに関する論文としてまとめた。また、X-N静電ポテンシャルMEM法については、2019年度中の成果報告に向けて準備を進めている。今後の研究において、原子変位パラメータの精度向上を目的とした中性子単結晶回折を実施する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Z-MEM, Maximum Entropy Method software for electron/nuclear density distribution in Z-Code2018

    • 著者名/発表者名
      Ishikawa Yoshihisa、Zhang Junrong、Kiyanagi Ryoji、Yonemura Masao、Matsukawa Takeshi、Hoshikawa Akinori、Ishigaki Toru、Torii Shuki、Oishi-Tomiyasu Ryoko、Kamiyama Takashi
    • 雑誌名

      Physica B: Condensed Matter

      巻: 551 ページ: 472~475

    • DOI

      10.1016/j.physb.2018.03.034

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2019-12-27  

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