研究課題/領域番号 |
17K14150
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
岩成 勇 東北大学, 理学研究科, 准教授 (70532547)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 変形理論 / ホッジ理論 / 安定∞圏 / 非可換代数 |
研究実績の概要 |
代数多様体の局所モジュライとその周期写像の理論の非可換への拡張に かかわる研究をすすめた. それに関してDG代数レベルで2016年に周期写像を構成 している(論文査読中). その非可換微分次数付(DG)代数の周期写像は、いくつか意味の有る拡張の方向性があった. そのいくつかの方向性の拡張について研究した. Landau-Ginzbuerg(LG)模型の変形は行列因子化の圏の変形を誘導しない. そこで変形の圏化を考えるうえで行列因子化の圏より繊細な 圏が必要になる。それがある同変的な圏のであり, その同変変形を考えるとLGの変形の圏化としてうまくいくことを発見した (正確に言うとLG模型の変形と同変変形は少し異なるがある局所化で不変量レベルで一致する). 一方でそのような同変的な圏の環境で変形を考えるには 既存の理論では対応しきれない. 周期写像では、Hochschildコホモロジーとホモロジーに入る代数構造が1つのポイントであった. 既存の代数構造の構成はオペラッド作用の非常に複雑かつ技術的なものであり拡張の可能性を見出せないものであった. 私は全く新しい概念的で理論的な方法を見出し、全ての安定∞圏に対してそのHochschild対にそのようなオペラッド上の代数構造が入ることを示した. これによりすっきりしたばかりでなくどうしてそんな構造が入るのかも分かり拡張も望ましい形でできた. さらに同変設定にも拡張できることを示した. これは安定∞圏の局所モジュライに関する周期写像の代数的基礎になる(予定である). また新しい方法はTFTの構成などの新しい構成やCalabi-Yau圏についてのDeligne予想に使えるのではないかと研究をすすめている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新しい進展や方向性への展開があった.
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今後の研究の推進方策 |
応用を見据えた同変的変形理論とホッジ理論だけでなく、ミラー対称性などを背景にした圏の退化と(非可換代数設定の)極限ホッジ構造を進展させる. そこではいくつか魅力的な課題があり, 例えば滑らかでない圏のHochschild-Kostant-Rosenbergの定理やモノドロミー作用、圏化された偏屈層と行列因子化の関係などが課題となる。
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次年度使用額が生じた理由 |
18年度後半に予定していた出張がむずかしくなる事態があった。19年度の旅費や研究打ち合わせに使用する予定である。
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