研究成果の学術的意義や社会的意義 |
p進微分方程式は、2010年以降に、Kedlaya, Baldassarri, Poineau, Pulitaらによる解の収束半径の理論の完成によって大きく進歩した。p進微分方程式の局所理論における残る大きな課題は、解の対数的増大度の研究であった。本研究では、その基本予想であるChiarellotto-Tsuzuki予想を肯定的に解決し、p進微分方程式の理論の応用への道を開くことができた。本予想は、フロベニウス構造という代数的情報をp進微分方程式の解の対数的増大度という解析的情報を研究をつなぐ橋である。今後は、この橋を使って、代数体上の微分方程式の大域的性質の研究が進展することが期待される。
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