• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2018 年度 実施状況報告書

Koszul代数の多角的研究

研究課題

研究課題/領域番号 17K14165
研究機関北見工業大学

研究代表者

松田 一徳  北見工業大学, 工学部, 准教授 (20633241)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードエッジイデアル / Castelnuovo-Mumford正則度 / h多項式 / 誘導マッチング数 / マッチング数 / 極値的ベッチ数 / Cameron-Walkerグラフ
研究実績の概要

平成30年度は, 主にエッジイデアルの研究を行った. エッジイデアルはグラフに付随する単項式イデアルであり, 剰余環がKoszul代数となることが知られている. 具体的な研究内容は以下の通りである.
(1) Castelnuovo-Mumford正則度(以下正則度と略す)とh多項式の次数に関する研究 : 任意の正整数r, sに対し, 剰余環の正則度がrであり, かつh多項式の次数がsであるようなエッジイデアルを構成した(日比孝之氏, Adam Van Tuyl氏(McMaster大学)との共同研究). この結果をまとめた論文が論文誌 The Electronic Journal of Mathematics から出版された. さらに, この結果の一般化として, 両不変量に加えてグラフの誘導マッチング数も任意の値をとることを示した(日比孝之氏, 菅野裕樹氏(大阪大学)との共同研究). この結果を論文にまとめ, 投稿した.
(2) エッジイデアルの極値的ベッチ数(extremal Betti number)の研究:任意の正整数 b≦r に対し, 極値的ベッチ数の個数が b かつ正則度が r となるエッジイデアルを構成した(日比孝之氏, 木村杏子氏(静岡大学)との共同研究). この結果をまとめた論文が論文誌 Archiv der Mathematik に受理された. また, この結果を日本数学会2019年度年会で発表した.
(3) Cameron-Walkerグラフ(以下C-Wグラフと略す)に付随するエッジイデアルの研究:C-Wグラフとは, 誘導マッチング数とマッチング数が等しいグラフのことである. C-Wグラフに付随するエッジイデアルの剰余環のa不変量が0となることを示した(日比孝之氏, 木村杏子氏, 土谷昭善氏(大阪大学)との共同研究). この結果を論文にまとめ, 投稿した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初はGorenstein二次代数のKoszul性に関する問題を考えていたが, 年度末にarXivにあがった Mastroeni-Schenck-Stillman による2本の論文に完全に先を行かれてしまった。
しかしながら, 本年度から開始したエッジイデアルの研究が想像以上に上手くいった. そのため, トータルでは順調に進展していると評価した.

今後の研究の推進方策

エッジイデアルの研究を今後も続けていく. 多項式環のエッジイデアルによる剰余環はKoszul代数となるので, エッジイデアルの研究はkoszul代数の研究にも繋がると思われる.
また, 論文は発表できているものの, 研究発表を行うことの積極性が足らなかった. 今年度は見直したい.

次年度使用額が生じた理由

4月に専任教員として着任し, 講義の準備等も含めて色々なことに時間を取られ, そのため予定していた出張をいくつかキャンセルした. その結果, 次年度使用額が生じた. 次年度の物品費と旅費に充てる予定である.

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2019 2018 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)

  • [国際共同研究] McMaster 大学(カナダ)

    • 国名
      カナダ
    • 外国機関名
      McMaster 大学
  • [雑誌論文] Extremal Betti numbers of edge ideals2019

    • 著者名/発表者名
      Takayuki Hibi, Kyouko Kimura, Kazunori Matsuda
    • 雑誌名

      Archiv der Mathematik

      巻: 印刷中 ページ: 印刷中

    • DOI

      https://doi.org/10.1007/s00013-019-01322-9

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Lexsegment Ideals and Their h-Polynomials2019

    • 著者名/発表者名
      Takayuki Hibi, Kazunori Matsuda
    • 雑誌名

      Acta Mathematica Vietnamica

      巻: 44 ページ: 83--86

    • DOI

      https://doi.org/10.1007/s40306-018-0297-5

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Regularity and h-polynomials of edge ideals2019

    • 著者名/発表者名
      Takayuki Hibi, Kazunori Matsuda, Adam Van Tuyl
    • 雑誌名

      The Electronic Journal of Combinatorics

      巻: ー ページ: ー

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] エッジイデアルの extremal ベッチ数2019

    • 著者名/発表者名
      日比 孝之, 木村 杏子, 松田 一徳
    • 学会等名
      日本数学会2019年度年会
  • [学会発表] Castelnuovo-Mumford正則度とh多項式の次数についてI, II2018

    • 著者名/発表者名
      松田 一徳
    • 学会等名
      第22回静岡代数学セミナー
    • 招待講演
  • [学会発表] Edge rings with 3-linear resolutions2018

    • 著者名/発表者名
      土谷 昭善, 日比 孝之, 松田 一徳
    • 学会等名
      日本数学会2018年度秋季総合分科会
  • [学会発表] Lexsegment ideals and their h-polynomials2018

    • 著者名/発表者名
      日比 孝之, 松田 一徳
    • 学会等名
      第40回可換環論シンポジウム
  • [備考] researchmap

    • URL

      https://researchmap.jp/kazmatsuda/

URL: 

公開日: 2019-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi