研究実績の概要 |
古澤昌秋(大阪市立大)との共同研究として、非分裂なSO(2)に対して、(SO(5),SO(2))の場合のGan-Gross-Prasad予想(GGP予想)と精密化GGP予想に取り組んだ。その準備として、(U(2n), U(1))の場合のGGP予想、精密化GGP予想に取り組み、GGP予想を一般に証明する事ができた。さらに、昨年度証明した適当な条件下でのU(2n)のWhittaker周期の明示公式を用いる事で、この場合の精密化GGP予想を適当な条件下で証明する事ができた。また、(SO(5),SO(2))の場合への応用のために、GU(2n)についても類似の結果を証明した。これらの結果をまとめた論文の執筆は完了しているが、(SO(5),SO(2))の論文が完成してから投稿する予定である。(SO(5),SO(2))の場合については、SO(5)の保型表現のGL(4)への持ち上げの存在の仮定の下で、GGP予想を一般に証明する事ができた。また、精密化GGP予想についても、概ね証明は完成しており論文の完成にはそれほど時間はかからないと思われる。
前年度から考察している、対称積L関数の特殊値の代数性については、必要と思われた仮定を外す事ができ、任意の指標で捻った4次と6次の対称積L関数について、右半平面上の臨界点について特殊値の代数性を証明する事ができた。この結果の系として、伊吹山氏と桂田氏によって予想されたRamakrishnan-Shahidiリフトの周期関係式を証明する事ができた。これらの結果をまとめた論文は現在投稿中である。
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