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2022 年度 実施状況報告書

保型L函数の特殊値の明示式とその応用

研究課題

研究課題/領域番号 17K14166
研究機関神戸大学

研究代表者

森本 和輝  神戸大学, 理学研究科, 准教授 (20725254)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2024-03-31
キーワード保型L関数
研究実績の概要

(SO(5), SO(2))の場合のBessel周期に関して、保型表現が全ての素点でtemperedな場合には、古澤昌秋氏(大阪公立大)との共著で証明していた。一方で、Y. QiuによりCAP表現と呼ばれるtemperedでない表現に関して、適当な正規化を用いることで局所Bessel周期を定義され、さらに、この場合の市野-池田型の公式をWaldspurger公式を用いることで証明している。一般化されたRamanujan予想によりCAP表現でなければ、temperedであると期待されているが、この予想はGL(2)の場合でも証明されておらず、現状ではこの予想を仮定することは、強過ぎる仮定となる。そこで、古澤氏との共著における手法を一般化してtemperedとは限らない保型表現に関して、(SO(5), SO(2))の場合のBessel周期の市野-池田型の公式を考察した。

問題となるのが、局所テータ対応の明示的な実現と、それを用いた局所周期の引き戻しの計算である。局所テータ対応の明示的な実現に関しては、temperedな場合には絶対収束するDoubling局所積分により定義されていたが、一般の場合にはDoubling局所積分についての解析的性質を用いることで、複素関数の特殊値として局所テータ対応を実現すればよいことがわかった。

局所周期の引き戻しの計算に関しては、引き戻す周期に関しても適当な正規化を用いて積分により定義しておく必要がある。本年度はまず非アルキメデス体上の場合を考察した。局所Whittaker周期に関しては、LapidとMaoにより一般に定義できているが、ユニタリ群のBessel周期に関しては一般の表現に関して積分による定義はなかったが、非常に小さいユニポテント群での絶対収束がわかれば、Qiuの手法に倣うことで局所周期の定義可能であることがわかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

局所周期の引き戻し計算において、積分の収束性についての議論をどのように回避すべきかの考察に時間を要したため。

今後の研究の推進方策

現在進行中の別の研究において、temperedとは限らない場合に、非アルキメデス体上では適当なパラメータを導入することで、局所Whittaker周期のテータ対応における関係を考察している。この手法をBessel周期の場合に適当に修正して用いることで、目標となる公式の確立に取り組む。

次年度使用額が生じた理由

コロナの影響により海外出張や海外からの招聘を行わなかったため。未使用額については、研究集会等への出張費や図書の購入費に用いる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件)

  • [雑誌論文] ON A CERTAIN LOCAL IDENTITY FOR LAPID?MAO’S CONJECTURE AND FORMAL DEGREE CONJECTURE : EVEN UNITARY GROUP CASE2022

    • 著者名/発表者名
      Kazuki Morimoto
    • 雑誌名

      Journal of the Institute of Mathematics of Jussieu

      巻: 4 ページ: 1107~1161

    • DOI

      10.1017/S1474748020000523

    • 査読あり
  • [学会発表] On Ichino-Ikeda type formula of Bessel periods for (U(2n), U(1)) and (GL(2n), GL(1))2023

    • 著者名/発表者名
      Kazuki Morimoto
    • 学会等名
      RIMS共同研究(公開型)「保型表現の解析的・数論的研究」
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] On Ichino-Ikeda type formula of Whittaker periods for even unitary groups2022

    • 著者名/発表者名
      Kazuki Morimoto
    • 学会等名
      第9回京都保型形式研究集会
    • 国際学会 / 招待講演

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公開日: 2023-12-25  

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