本研究課題の目的は、整凸多面体のCayley分解の組合せ論的構造の解析、および、関連する諸問題の解決である。具体的には、「Cayley予想の完全解決」および「Cayley分解とEhrhart多項式の関連性の解明」を最終目標として掲げていた。最終年度である平成31年度は、平成30年度までの研究を踏まえて、これらの研究の完成を目指す。 具体的な整凸多面体のクラスとして、「基本単体のミンコフスキー和のトーリックイデアル」について研究を行い、基本単体のミンコフスキー和のトーリックイデアルが 1)スクエアーフリーイニシャルイデアルを持つ 2)2次生成である を満たすことを証明した。これは、整凸多面体の構造論における重要な未解決問題「小田予想」と「Bogvad予想」を、基本単体のミンコフスキー和という重要なクラスに対して証明したものであり、大きな進歩であると言える。
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