(1)大体積極限の観点からの存在証明 形式的には、G2-instanton はdDT接続の「大体積極限」だと思える。(つまり、G2構造が十分大きいか曲率が十分小さいとき、G2-dDT接続はG2-instantonとほぼ同じものになる。)またホロノミー群がG2に一致する多様体上の複素直線束には、常にG2-instantonが存在する。これらの事実を用いて、ホロノミー群がG2に一致する多様体の「G2構造が十分大きい」とき、G2-dDT接続が常に存在することを示した。
(2)multi-moment mapでのG2-dDT接続の特徴づけ G2-dDT接続の類似の場合であるdHYM接続は、moment mapの零点として書けることが知られている。G2-dDT接続に対しても類似の主張を示した。そのために、moment mapの自然な類似であるmulti-moment mapを用いた。ユニタリー接続の空間上にゲージ群の作用で不変な自然な閉3形式を定義し、それを用いて、G2-dDT接続がmulti-moment mapの零点として書けることを示した。 また、dHYM接続は測地的凸な汎関数の臨界点になることも知られている。Karigiannis-Leungにより、G2-dDT接続はユニタリー接続の空間上のある汎関数の臨界点として書けることが知られている。この汎関数が何らかの計量に関して測地的凸であることを示せるか考察したが、それには成功しなかった。
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