研究課題/領域番号 |
17K14190
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
石原 海 山口大学, 教育学部, 講師 (40634762)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | ファイバー結び目 / 交差交換 / GOF-knots / 絡み目解消経路 |
研究実績の概要 |
本研究は、主に曲面上の弧を分析することによってトポロジーを研究し、得られた結果や他のトポロジーの結果を総合的にDNA絡み目に働く酵素の作用の解明に応用すことを目的としている。 DNA絡み目に働く酵素の作用は交差交換やバンド手術といった比較的簡単な有理タングル手術でモデル化される。これまでにファイバー絡み目同士の交差交換や向きに同調したバンド手術が、ファイバー曲面上のcleanまたはonce-uncleanな弧に沿って起こることが分かっていた。このことからファイバー絡み目同士の交差交換や向きに同調したバンド手術の特徴付け及び決定のために、cleanまたはonce-uncleanな弧を調べることが有用であることがわかる。今年度の研究では最も簡単な場合である種数1の境界付き曲面上のcleanまたはonce-unclean な弧を分類することによって、種数1のファイバー結び目(GOF-knots)同士の交差交換を完全に分類している。この結果はMatt Rathbun氏との共同研究として論文にまとめ、国内の研究集会などで発表を行っている。 また、DNA絡み目に働く酵素が反復する作用に関しても結果を得た。酵素が反復して作用するとき、一回の作用の解析の前にどの絡み目を経由し最終的な生成物が得られるかという経路の決定が問題となる。これまでに部位特異的組換え酵素による作用をバンド手術でモデル化することによって、交点数が段階的に減少するという仮定のもとで絡み目解消経路の決定ができていた。これに対して、同様の仮定のもとタイプIIのトポイソメラーゼによる作用を交差交換でモデル化することによって絡み目解消経路の決定を行った。この結果に関しては国際会議で発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
比較的早い段階で結果を得ることができたため、論文にまとめ成果発表も行っており、おおむね順調といえる。
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今後の研究の推進方策 |
2橋ファイバー結び目のファイバー曲面上のcleanまたはonce-unclenな弧について考察し、バンド手術や交差交換の特徴付けに応用する。またトンネル数1のファイバー結び目の具体例に関してトンネルやcleanな弧について考察を行っていく。
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