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2019 年度 実施状況報告書

ケーラーでない開複素多様体の幾何と4次元トポロジー

研究課題

研究課題/領域番号 17K14193
研究機関京都産業大学

研究代表者

粕谷 直彦  京都産業大学, 理学部, 准教授 (70757765)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワード開複素曲面 / 接触構造
研究実績の概要

本研究課題の目標の一つである「任意の閉3次元接触多様体は強擬凹複素曲面の境界として実現可能か?」という問いを肯定的に解決し、さらに接触多様体を充填する複素曲面はケーラーでないものにとれることを示した。この結果は2002年にHonda-Etnyreによって示された「任意の閉3次元接触多様体はconcave symplectic fillingを許容する」という定理のholomorphic versionと解釈することができる。また、任意の2つの閉3次元接触多様体の間を複素コボルディズムでつなげること、特にstrongly symplectically fillableな接触多様体からovertwistedな接触多様体へのコボルディズムが構成でき、ケーラーでない複素コボルディズムが得られることを証明した。
今回我々がとった手法は、研究実施計画に記した通り、Eliashbergのハンドル接着によるシュタイン多様体の構成法を参考にしたものである。Eliashbergの方法では、強擬凸境界上のLegendrian knotに沿って、Lagrangian diskをcoreとする正則ハンドルを接着するが、我々の方法では、強擬凹境界上のtransverse knotに沿って、holomorphic diskをcoreとする正則ハンドルを接着する。この違いが我々のアイディアの本質である。現在、共著者のDaniele Zuddas氏とともに論文をまとめている最中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

昨年9月の時点で証明自体はできており、共著論文の自らの担当部分の執筆は済んでいるが、共著者のDaniele Zuddas氏が昨秋トリエステ大学(イタリア)に着任してから多忙を極めたうえ、今年に入ってからは新型コロナ騒動もあり、執筆が遅れている。

今後の研究の推進方策

まず、遅くとも2020年内に得られた結果を論文として仕上げ、学術雑誌に投稿するとともにarXivへアップする。現在、新型コロナの影響で研究集会などが延期になることが多い状況であるが、今後状況が好転すれば、学会をはじめ積極的に発表を行い、研究結果の周知に努める。また、今回の研究結果の延長にある「任意の閉3次元接触多様体はケーラーな強擬凹複素曲面の境界として実現可能か?」という問題を考え、解決方法を模索する。

次年度使用額が生じた理由

当初の計画では、Daniele Zuddas氏を共同研究遂行のため招聘する予定であったが、2019年10月にトリエステ大学(イタリア)への着任が決まり慌ただしいということで、招聘を延期した。現在は新型コロナの影響で予定が立たないが、状況が好転すれば、Zuddas氏を今年度中に招聘する費用に充てる計画である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] CR regular embeddings of $S^{4n-1}$ in $\mathbb{C}^{2n+1}$2020

    • 著者名/発表者名
      Naohiko Kasuya
    • 雑誌名

      Proceedings of the American Mathematical Society

      巻: 148 ページ: 3021-3024

    • DOI

      10.1090/proc/14962

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2021-01-27  

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