研究課題/領域番号 |
17K14196
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研究機関 | 岡山理科大学 |
研究代表者 |
黒木 慎太郎 岡山理科大学, 理学部, 准教授 (90433309)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | GKM多様体 / GKMグラフ / 旗Bott塔 / Gale dual / 同変コホモロジー / トーラス作用 |
研究実績の概要 |
2019年度は、査読付きの雑誌に論文が1本、査読のない雑誌に1本論文が掲載された。時期は前後するが内訳は以下の通り。 韓国の研究者達と定義したflag Bott多様体(現在査読付きの雑誌に投稿中)を二つの視点から一般化し、その同変コホモロジーを計算した論文がHomology Homotopy and Applicationsに掲載された。この研究は、投稿中のflag Bott多様体の論文のレフェリーの一人が出してくれた問題が動機となり、その問題に(一般化して)答えた結果となる。 2019年3月に卒業した修士課程の学生と一緒に書いた論文が、岡山理大の紀要に掲載された。この論文ではGKMグラフのGale dualと言う概念を定義し、複雑性1の場合にそれがどのような性質を持つかを調べた。結果として、GKMグラフの定義に現れる性質が対応する性質がGale dualの方にもあることがわかった。 現在はこの研究をより進めているが、学生が卒業してから一年間共同研究者とGKMグラフのGale dualに関する議論を重ねた結果、group of axial functions(J of MSJに載った論文で定義した概念)と関係があることが分かってきた。これは、group of axial functionsの(様々な面からの)意味付けを行うという本研究の目標に一つの答えを与えることになるのではないかと考えている。 その他、特筆すべきこととして、2019年11月にトーリックトポロジーの大きな国際会議を、他の研究者達と共同で本科研費を使って岡山理科大で運営することができた。その期間中に一日だけ若手の国際会議も開催した。様々な国から研究者が集まり、議論も大いに盛り上がっていた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
GKMグラフのGale dualが、当初予想していなかったgroup of axial functionsと関係することがわかり、研究の目的の一つであるgroup of axial functionsの意味を調べることに一つの答えが出せる可能性が出てきたため。
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今後の研究の推進方策 |
現在、GKMグラフのGale dualに関する論文は執筆中なので、2020年度の早い段階で完成させたいと考えている。 他にもGKMグラフに関してロシアの共同研究者と議論を進めている。また、トーラス多様体の同変微分同相に関してもカナダの研究者と議論を進めている。いずれも本研究と直接または間接的にかかわってくる研究である。
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次年度使用額が生じた理由 |
海外への出張と、海外の研究者の招へいに主に科研費を使用することは年初から計画しており、その計画通りに進めたところ、少額だが次年度使用額が生じた。次年度は、近い大学への国内学会への参加旅費として使いたいと考えている。
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備考 |
運営した国際会議への招待講演者とそのホームページ
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