研究課題/領域番号 |
17K14196
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研究機関 | 岡山理科大学 |
研究代表者 |
黒木 慎太郎 岡山理科大学, 理学部, 准教授 (90433309)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | GKM多様体 / GKMグラフ / 同変コホモロジー / 同変ベクトル束 / オービフォールド / トーラス作用 |
研究実績の概要 |
2020年度はA.Darby氏とJ.Song氏と共に書いた論文`` Equivariant cohomology of torus orbifolds''がCanadian J.of Math.から出版された。この論文はGKMグラフを使いトーラスオービフォールドの同変コホモロジーを計算したもので、本研究の目的の一つであるGKMグラフの応用に繋がる研究である。 今年度から始まった研究二つありは、一つ目は以前定義していたlegをもつGKMグラフ(Toric HyperKahlerから自然に定義されるもの)についてインドの研究者と共同研究が始まった。最初のステップとして、簡単な場合の同変コホモロジーを計算することができた。二つ目はロシアの研究者と共に同変ベクトル束をGKM理論の視点から見た研究も始まった。これもlegをもつGKMグラフが現れてくる。簡単な考察として、legを持つGKMグラフの射影化が定義出来て、射影化したものがGKMグラフになるかどうかでGKMグラフ上のconnectionの数が分かる場合があることが示せた。GKMグラフではないことから分かる結果は、見たことがないので興味深いと思われる。いずれの研究も間接的にではあるが、目的の一つであるGKMグラフ上のルート系の定義につながっていくと予想している。 他にも、2021年に入り2月には``kpa70+ Transformation group theory''と言うタイトルで、Takao Sato氏と共にPawalowski先生の退官記念集会を行った。2020年度の最後の月2021年3月にはToric Topology 2021 in Osakaと言う集会をMikiya Masuda先生と共に開催した。いずれの集会もオンラインで開催された国際会議であったが、世界中からの参加者があり、議論も大いに盛り上がり大成功に終わった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度はコロナの関係で遠隔講義の準備に追われてしまい、新しい論文を投稿することはできなかったが、その一方で投稿中の論文が出版され、遠隔でコミュニケーションを取る手段ができたことにより新しい研究も始まった。他にも前年度から書いている論文も順調に進んでいる。これらの理由からおおむね順調な進展をしていると言える。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度から書いているGale dualに関する論文を完成させたい。また、Yael Karshon氏と続けている研究も遠隔でコミュニケーションが取れるようになったおかげで論文の執筆が進んでいる。これらの研究はできるだけ早い段階で論文にまとめたいと思う。
今年度の2020年度から始まった研究も、論文にまとめる形までできるだけ早い段階で持っていきたい。実際、legを持つGKMグラフの同変コホモロジーの論文は証明の部分は全部書き上げている。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年度はコロナ禍のために出張費に使う事はなかったので、次年度への使用額が生じた。
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