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2019 年度 実施状況報告書

離散・超離散方程式の組合せ論的構造の研究による厳密解の構築

研究課題

研究課題/領域番号 17K14199
研究機関東京大学

研究代表者

中田 庸一  東京大学, アイソトープ総合センター, 特任助教 (40584793)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワード可積分系 / セルオートマトン / マトロイド / 組合せ論
研究実績の概要

Max, ±演算のみから構成される方程式(超離散方程式系)について、その厳密解を求める研究を行っている。これまで解が初期値について2つの自由度を持ち、か つLaurent性を持つ超離散方程式系の初期値問題について、解を凸多角形に対応させ、方程式を凸多角形間の関係式に置き換えることにより厳密解を得ることを行った。また超離散方程式のある種の解がその離散凸性に根ざした構造に着目することにより、方程式が解を満たす ことの証明の一部について、対応する離散方程式系と平行した議論ができることを示した。2019年度は前年度の結果を踏まえて解が行列式の恒等式と深く関連付けられる離散方程式の超離散化により得られるある方程式について、既に提出されている解のクラスが方程式を満たすことについて純粋に組合せ論的な方法によって証明が可能であることを示した。証明にはマトロイドと呼ばれる組合せ論的対象の超離散対応物が持つ性質を利用しており、超離散可積分系と離散凸性との関係を強く示唆するものであると考えるものである。この結果については11月に九州大学応用力学研究所での研究集会「非線形波動研究の多様性」においてポスターにより発表を行った。
またこれまで行ってきた超離散常差分方程式の初期値問題に関する凸多面体を用いた厳密解の計算法の研究について、京都大学数理解析研究所における研究集会「可積分系数理の深化と展開」において口頭での発表を行った。現在はこれらの成果についての論文を執筆している最中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

凸多面体を用いた初期値問題の解法については結果がある程度まとまり現在それらをまとめている最中である。
また離散凸性を持つ組合せ論的対象との関連性についても一定の成果が得られた。

今後の研究の推進方策

今年度は計画通り成果をまとめつつ、これらの応用可能性について検討する。
超離散系における可積分性とは何かという本研究のテーマについてある程度の結論が得られたと思う。
ただしCOVID-19による各種研究発表会の延期により、発表の場がなくなる可能性が高い。

次年度使用額が生じた理由

研究促進のための資料作成のための人員派遣に使用したが、全てを使い切ることは出来なかった。今年度は海外研究集会へ参加しこれまでの成果を発表する予定であったが、COVID-19による影響で集会は延期されたため、他の研究集会で発表するなどの可能性について検討したい。

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公開日: 2021-01-27  

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