研究課題/領域番号 |
17K14212
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研究機関 | 一関工業高等専門学校 |
研究代表者 |
片方 江 一関工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (10529598)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 複素力学系 / 超越整関数 / 擬多項式写像 / ジュリア集合 |
研究実績の概要 |
本研究では,多項式の力学系を出発点として超越整関数および多項式半群の力学系特有の現象を明らかにすることを目標としている.令和2年度も令和元年度と同様に超越整関数の反復合成による力学系の研究,特に異なる視点から複数の具体例を構成してその力学系的性質や付随する普遍集合などの性質を考察した.主な研究業績は以下の通りである.構成した具体例(任意に与えた可算無限個の次数が2以上の多項式の力学系を局所的に含む,すなわち可算無限個の擬多項式写像を含む超越整関数でいくらでも遅い増大度を持つもの)について,2020年12月に京都大学で行われた研究集会 複素力学系理論の総合的研究(Zoom開催),2021年3月に行われた研究集会 Real, Complex and Functional Analysis Seminar 2020(Zoom開催) および 2021年3月に行われた研究集会 「リーマン面・不連続群論」研究集会(Zoom開催)で報告した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症のため,学生対応や遠隔授業準備などの校務に追われ研究時間を確保することが難しかった.
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今後の研究の推進方策 |
これまでに構成した超越整関数の力学系的性質やファトウ集合・ジュリア集合の位相的性質を明らかにし,一般論の構築を目指す.急速発散点集合・蜘蛛の巣・髪の毛などの超越整関数の力学系特有の集合を解析し,必要に応じてコンピュータプログラムを利用する.研究の技術的側面はこれまでの研究手法を応用し,外部研究者と情報交換を行いながら研究を円滑に進める.出張が困難な場合でもZoom等を利用してディスカッションを行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症により,研究集会がZoom開催となり旅費を使用しなかったため. 書籍購入費・文献複写費および出張旅費に充てる.
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