研究実績の概要 |
2022年度の研究により, 次の成果 (1) - (4) が得られた. (1) 重み付き拡散 Hamilton-Jacobi 方程式に対する重み付き Lebesgue 空間と重み付き Sobolev 空間における局所適切性理論を示した.また,重み付き Lebesgue 空間においては可解となる非線形の冪に制限が付き,重み付き Sobolev 空間においてはそのような制限が付かないことを明らかにした. (2) 空間的に非一様な非線形項を持つ半線形放物型方程式である Hardy-Henon 熱方程式に対する重み付き Lorentz 空間における符号変化解の無条件一意性を考察した.これは Hardy 型,Henon 型,藤田型の既存の結果を内包する一般化である. (3) Hardy-Henon 熱方程式に対する重み付き Lorentz 空間における適切性と,小さな初期値に対する解の漸近挙動解析を考察した.小さい初期値が非線形問題における自己相似的な臨界減衰を持つ場合は,時間大域解は対応する非線形自己相似解に時間無限大で減衰する.小さい初期値が臨界減衰より遅い減衰を持つ場合は,時間大域解は対応する線形自己相似解に漸近する.これらの結果を有界関数を含む位相で示した. (4) 二層流体の相転移を記述する圧縮性 Navier-Stokes-Korteweg 系の定常問題に対する臨界適切性と, 解の存在に関するパラメータ依存度の明示的十分条件を示した.これにより定常解が存在するための初期値の小ささの詳細なパラメータ依存性を明らかにした. (1)において得られた結果は査読付き論文雑誌に掲載済み,(2)において得られた結果は現在投稿中,(3) - (4) において得られた結果は投稿準備中である.
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