研究課題/領域番号 |
17K14222
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
廣惠 一希 千葉大学, 大学院理学研究院, 准教授 (50648300)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 不確定特異点 / 接続のモジュライ / 箙の表現 |
研究実績の概要 |
コンパクトリーマン面上の自明なベクトル束に定義された有理型接続から極限操作で得られるヒッグス束のスペクトル曲線を考え,スペクトル曲線の特異点と元の有理形接続(微分方程式)の特異点の間の関係を調べた.特に特異点の局所的な不変量がの間の関係式を構築し,それを応用してスペクトル曲線の種数と微分方程式のリジッド指数が一致するという大域的不変量の比較定理を得た.またこれを論文にまとめ学術誌へ投稿した. さらに種数0のリーマン面,つまりリーマン球面上の微分方程式に対し,特異点の合流理論と微分方程式のモジュライ空間の変形理論の間の関係についての研究を行った.これにより箙の表現空間の変形も構成できることがわかり,現在論文を執筆中である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでに得ていた微分方程式とスペクトル曲線の不変量の比較定理を論文にまとめ学術誌に投稿することができた.また微分方程式の合流理論とモジュライの変形理論を表現論的に解釈し統一的理論を構築する計画も順調に進んでいる.
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今後の研究の推進方策 |
微分方程式の不確定特異点の漸近解析,モジュライ空間の幾何学,箙の表現と幾何学的表現論,といった様々な分野の専門家と研究集会,セミナーなどを通して意見交換,研究打ち合わせをして,代数学,幾何学,解析学,組み合わせ論,といった様々な多角的な視点から研究を進めていく.
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次年度使用額が生じた理由 |
新型感染症蔓延の影響で2月と3月に予定していた出張が全てキャンセルとなり旅費として計上していた予算を次年度の研究に繰り越したため.
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