双対性は数学・物理・情報などを横断して広範に観察される数理現象である。本研究では双対性の圏論的一般理論を構築した。これにより数学・物理・情報を横断する双対性現象の統合的理解が可能になった。同時に新種の双対性定理の導出が可能になった。本研究では同時に圏論的論理・圏論的意味論の一般理論の構築にも取り組んだ。従来、圏論的論理・圏論的意味論の研究は特定のシステムに依存した形で行われることが多く、異種のシステムに対して統合的に適用可能なフレームワークの研究は未開拓であった。またそれゆえ異種の圏論的論理・圏論的意味論間の関係性をシステマティックに理解するための理論的基盤も存在してこなかった。本研究ではこれらを実現する圏論的論理・圏論的意味論の一般理論の構築に成功した。従来の圏論的論理・圏論的意味論の研究の多くはこの一般理論のインスタンスとして理解でき、さらにこれまで未開拓であったシステムに一般理論を適用することで、新種の圏論的論理・圏論的意味論の構築が可能になった。技術的には、高次圏論的な視点を導入することでよりシステマティックな理論構成を実現した。圏論的論理・圏論的意味論の手法もまた数学・物理・情報などを横断して広範に適用可能なものであり、人工知能や機械学習への応用をも開拓し、圏論的人工知能・圏論的機械学習、特に記号的AIと統計的AIの圏論的統合により可能になる圏論的融合AIパラダイムの理論的基盤となる研究を実施した。さらに圏論がこれまで有意味に応用されてこなかったフロンティアである生命科学への応用研究も進めた。
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