研究課題
非正則モデルに対する客観ベイズ統計学の構造解明に関する研究を行った.研究最終年にあたる2020年度は,引き続き非正則モデルに対する客観事前分布について,ベイズ予測の観点から事後予測区間が頻度論的な被覆確率を達成するような確率一致事前分布に関する研究と,情報理論の観点から事前分布と事後分布の差異を漸近的に最大化する参照事前分布に関する研究を行った.ベイズ予測型確率一致事前分布については,ベイズ予測密度の漸近展開に基づき,事後予測領域の確率を頻度論的に評価することにより,事前分布がベイズ予測型確率一致事前分布となるための条件を導出し,位置母数分布族や尺度母数分布族などの具体的な分布族に対しての計算を行った.結果として,多くの分布族で推定問題における確率一致事前分布が予測問題においても妥当性を持つことが示された.また,局外母数が存在しない多母数の場合にも結果を拡張した.これらの結果は,国際的学術誌に採択され,出版された.参照事前分布の研究については,本研究課題の一年目に取り組んでいたものであるが,困難が生じたことにより研究を保留にしていた.この問題点を解決することができ,国際的学術誌に採択・掲載された.本研究課題において,当初予定にはなかった複数の研究についても研究協力者とともに研究を進め,論文を出版することができた.これらの結果については,コロナウイルス感染拡大に伴い学会等での発表はまだ行うことができていないため,来年度以降随時発表していく予定である.
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)
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https://home.hiroshima-u.ac.jp/hashisin/