微分方程式の解構造において特徴づけが一般に困難な「特異性」の記述につき、結果の妥当性が限られる数学的結果と数値計算の橋渡しを担う精度保証付き数値計算が、標準的な力学系の道具を用いて適用できるようになる事で、特異性も厳密性と具体性を担保しつつ計算できるようになった。また特異性がいつ生じるかを力学系の言葉で明確にし、その振る舞いを力学系と精度保証付き数値計算で追えるようになった事で、特異性発現の有無を判定する事が可能となり、その振る舞いを厳密性をもって視認する事が可能となった。これは微分方程式の解の特異性解析を容易にかつ体系的にし、信頼性のある深い考察を導く事につながる。
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