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2017 年度 実施状況報告書

高次元データのためのノンパラメトリックな仮説検定手法の提案と生命科学への応用

研究課題

研究課題/領域番号 17K14238
研究機関大阪府立大学

研究代表者

兵頭 昌  大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00711764)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード高次元データ / 非正規母集団 / 生物学的同等性 / マルチンゲール中心極限定理 / 仮説検定
研究実績の概要

以下の研究課題に従事した:
(A1)高次元非正規母集団におけるプロフィール分析における平行性仮説および平坦性仮説の検定手法の提案.
(A2)複数の高次元非正規母集団における平均ベクトルと分散共分散行列の同時検定.
(A1)について, L2ノルムに基づく検定統計量を構成し, マルチンゲール中心極限定理そのを利用して, 帰無仮説の下での漸近分布,対立仮説の下での漸近分布を導出した. 漸近的な帰無分布を近似分布として用いた場合の精度評価をシミュレーションにより行った. 提案法は, 母集団分布に正規性が仮定できない場合についても良い精度を有していることを確かめた. さらに, 実際のデータへ提案法を適用した. これらの成果は, Journal of Multivariate Analysis へ掲載された.
(A2)について, 平均ベクトルの同等性検定で用いられる検定統計量と分散共分散行列の同等性検定で用いられる検定統計量の和を取ることで, 検定統計量を作成した. さらに, 漸近論に基づく近似的な棄却点の導出も行うことで, 近似検定法式を与えた. また, 高次元データを想定したシミュレーションを行い, 提案近似検定方式の精度評価を行った. その結果, 分散共分散行列の固有値が極端にスパイクしないような場合は, 良い精度を有することを確認した. 母集団数が2である場合の結果は, TEST へ掲載が決定した. また,(A2)の成果を日本数学会で報告を行った.(A1)や (A2) に関連するテーマとして多変量生物学的同等性検定の研究も行った. その結果を, 計算機統計学会で報告した. 専修大学西山貴弘氏、ストックホルム王立工科大学タチアナ・パブレンコ氏の研究室を訪問し, 分散共分散行列の構造に関する検定について共同研究を開始した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画通りに進んでいる.

今後の研究の推進方策

(A2)については, 理論的な結果や数値的な結果が概ね揃ったので, 母集団数がkである結果を論文に纏め, 学術誌への掲載を目指す. また,(A1)や (A2) に関連する多変量生物学的同等性検定の研究成果を論文に纏め, 学術誌への掲載を目指す.
本年度は, (1) 分散共分散行列の構造に関する検定法および (2) 平均ベクトル間の差のL2ノルムの区間推定法の提案を目指す. テーマ (1) については, 専修大学西山貴弘氏、ストックホルム王立工科大学タチアナ・パブレンコ氏と共同で行う. テーマ (2) については, 東京理科大学理学部瀬尾隆氏と共同で行う. 分散共分散行列の構造にかんする仮説検定問題として, RV係数を利用したブロック対角行列の検定を提案する.

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2018 2017 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件) 図書 (1件)

  • [国際共同研究] Sweden/Royal Institute of Technology (KTH)(Tatjana Pavlenko)

    • 国名
      その他の国・地域
    • 外国機関名
      Sweden/Royal Institute of Technology (KTH)
  • [雑誌論文] A simultaneous testing of the mean vector and the covariance matrix among two populations for high-dimensional data2018

    • 著者名/発表者名
      Masashi Hyodo, Takahiro Nishiyama
    • 雑誌名

      TEST

      巻: 27 ページ: 680-699

    • DOI

      10.1007/s11749-017-0567-x

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Tests for the parallelism and flatness hypotheses of multi-group profile analysis for high-dimensional elliptical populations2017

    • 著者名/発表者名
      Masashi Hyodo
    • 雑誌名

      Journal of Multivariate Analysis

      巻: 162 ページ: 82-92

    • 査読あり
  • [学会発表] 多次元データのための生物学的同等性試験2017

    • 著者名/発表者名
      斧渕晃宏, 兵頭昌, 倉上弘幸
    • 学会等名
      日本計算機統計学会第31回シンポジウム
  • [学会発表] Simultaneous test for mean vectors and covariance matrices in high-dimensional settings2017

    • 著者名/発表者名
      Takahiro Nishiyama, Masashi Hyodo
    • 学会等名
      New Zealand Statistical Association and the International Association of Statistical Computing (Asian Regional Section) Joint Conference(University of Auckland, Auckland, New Zealand)
    • 国際学会
  • [学会発表] 多標本問題に対するユークリッド距離を利用した平均ベクトルと分散共分散行列の同時検定2017

    • 著者名/発表者名
      兵頭昌、西山貴弘
    • 学会等名
      日本数学会秋季総合分科会(山形大学)
  • [図書] 機械学習 ─データを読み解くアルゴリズムの技法─2017

    • 著者名/発表者名
      ピーター フラッハ (著), Peter Flach (著), 竹村 彰通 (監修, 翻訳), 田中 研太郎 (翻訳), 小林 景 (翻訳), 兵頭 昌 (翻訳), 片山 翔太 (翻訳), 山本 倫生 (翻訳), 吉田 拓真 (翻訳), 林 賢一 (翻訳), 松井 秀俊 (翻訳), 小泉 和之 (翻訳), 永井 勇 (翻訳)
    • 総ページ数
      392
    • 出版者
      朝倉書店
    • ISBN
      4254122187

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公開日: 2018-12-17   更新日: 2022-02-28  

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