渦巻銀河における星質量分布は、銀河円盤の重力ポテンシャル分布に相当する。重力ポテンシャルに対する星間ガスの応答は、渦巻腕構造の起源を理解する上で重要だが、星質量分布は単一波長の観測データだけでは導出できないという問題があった。そこで我々はモデルと多波長データを利用して、星質量分布の導出に成功した。当初の目的であった腕構造の寿命の決定には至らなかったが、腕構造が星間ガスに与える影響について一定の理解を得た。 一方、関連して開始した分子ガス輝線強度比の研究については、銀河を空間方向・速度方向に分解した議論を行い、銀河内の環境が星間分子ガスの物理状態に与える影響について詳細に調査できた。
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