研究課題
若手研究(B)
赤外線や電波帯で観測される星間分子は、宇宙における物質進化を探るうえで重要な物質である。本研究では、中間赤外線帯で観測される多環芳香族炭化水素と電波帯のいくつかの分子に関して、銀河系内の大質量星形成領域を観測したデータを解析した。あわせて、地上赤外線望遠鏡用の狭帯域フィルターを新しく製作し、分子進化に大きな影響を与える紫外線を定量的にとらえた。本研究により、星形成領域において分子が紫外線を受けた際の進化の理解が進んだ。
赤外線天文学
宇宙誕生直後の水素とヘリウムで構成されたシンプルな宇宙から、今日の生命をはぐくむ豊かな宇宙に至るまで、物質がどのように進化してきたかを明らかにすることは、天文学における主要なテーマの1つである。本研究はこのテーマに対して、星形成領域における分子の進化という切り口で迫った。今後、打ち上げが予定されている赤外線望遠鏡を用いた観測に発展させることで、宇宙初期から分子がどのように進化してきたかを明らかにできるようになると期待される。