分岐比10の-13乗以下のレプトンフレーバーを破るミュー粒子稀崩壊探索は素粒子のフレーバー研究の最重要課題の一つである。実験開始に先立ってデータの取り扱いを確立したことで,目標とする実験感度の達成をより確実のものとした本研究は,国際共同実験MEG IIの成功,ひいては物理学の進展に大きく寄与したといえる。本研究によりMEG II実験に必要なストレージコストを1~2千万円程度削減できた。増大するデータ量の取り扱いは分野全体の課題であり,本研究で確立したシステムと,開発した高計数率下の事象再構成法はMEG IIのみならず他の中小規模強度フロンティア素粒子実験に生かすことができる。
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