本実験の主な要素はファラデー回転を検出するための光学系と磁場発生系である。光学系については、測定が数ヶ月にわたるため共振器の長期安定性が重要であり、本研究期間にその擾乱耐性が大幅に向上した。電磁石については磁場強度が大きいほどより微小な磁気モーメント並びにより大きな質量に対し感度が向上する。そのため磁場領域は小さいものの瞬間的に20T程度の強磁場を発生可能なソレノイド型パルス電磁石を開発し、その性能評価を行った。さらに窒素ガスを用いた感度の較正を行い、期待通りの性能を確認した。これらにより、パイロット測定を開始するのに十分な環境を整えた。
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