本研究では、銀河系内に由来する宇宙線の低エネルギー帯域 (~MeV) に着目した。超新星残骸を対象として中性鉄輝線のX線観測により低エネルギー宇宙線の測定を行った。その結果、複数の超新星残骸から中性鉄輝線を検出した。IC443などでは放射分布が分子ガスと相関しており、低エネルギー宇宙線が起源であることを明らかにした。また、一部の超新星残骸に付随する過電離プラズマがその遷移過程で元素毎に電離温度が異なっていることを示し、電子冷却よりも電離促進の可能性が高いことを提案した。また、銀河系拡散X線放射について、銀河中心から北方向に吹き出す低温プラズマ成分の詳細測定を行い、その起源を議論した。
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