研究課題
若手研究(B)
超許容純フェルミ型ベータ崩壊のベータ崩壊強度に対応するft値を精密に決定することで、カビボ・小林・益川(CKM)行列のユニタリー性や弱い相互作用への右巻きの混入の検証が盛んに行われている。ところが、これまでに18Neと30Sのft値が、他の核種の平均ft値から精度が悪いながらも原子核構造の異常では説明できない方向にずれる結果となっている。この食い違いを解明するために、本研究では、汎用的にベータ崩壊分岐比を0.3%の高精度で測定できるシステムを開発した。
原子核実験
本研究が完成すれば、これまでに測定が困難とされていた基底状態への崩壊を含むベータ崩壊核種の「分岐比」を絶対測定できるようになり、不安定原子核における魔法数の消失や新魔法数の発現といった原子核構造の解明、まだその起原が明らかになっていない速い中性子捕獲過程(r-process)などの宇宙元素合成にとって重要な原子核のベータ崩壊の研究に対しての道が開けると期待される。