研究課題/領域番号 |
17K14305
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研究機関 | 神戸市立工業高等専門学校 |
研究代表者 |
高見 健太郎 神戸市立工業高等専門学校, その他部局等, 講師 (70758002)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 重力波 / 連星中性子星 / 数値相対論 / 状態方程式 / 大質量性 |
研究実績の概要 |
2015年9月、連星ブラックホール合体からの重力波が世界で初めて観測され、2017年のノーベル物理学賞を受賞した。その後も、続々と連星ブラックホールからの重力波が観測されている。それに加えて、まだたった数例(候補も含む)ではあるが、連星中性子星合体やブラックホールと中性子星からなる連星合体からの重力波も観測することに成功している。その上、幸いにして、そのうちの1例ではあるが、同時にショートガンマ線バーストなども観測することに成功し、重力波以外でのフォローアップにより多くの物理情報を取り出すことに成功している。
このような現状を踏まえ、観測される連星中性子星合体からの重力波から多くの物理情報を引き出すことを主眼に様々な角度からの理論的研究を行っている。特に、連星中性子星合体及びそこから放射される重力波の状態方程式依存性に重点を置いて研究を進めている。
研究の一例の内容を紹介する: 上記で述べたように、連星中性子星合体からの重力波をたった一例ではあるものの観測することに成功している。このイベントは、非常に幸運なことに比較的近傍で起こったために、綺麗な波形を得ることができた。しかし、一般的には、連星中性子星合体の発生確率は低いため、遠方で発生した合体からの重力波から、物理的情報を取り出すことが重要になってくる。そこで、遠方から伝わってくる重力波をシミュレーションし、その波形を統計的に解析する手法を研究している。さらに機械学習の手法を用いて、効率よくそれを行う方法も模索中である。これにより、非常に弱い重力波波形であっても、観測数を増やすことで、精度良く中性子星に関する情報を決定すること可能にする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2015年9月に連星ブラックホール合体からの重力波が世界で初めて観測され、重力波の初観測が2017年のノーベル物理学賞を受賞したため、重力波の一般市民からの注目が非常に高い状態であった。そのため、各方面から一般向けの講演(アウトリーチ活動)の依頼が多く寄せられ、それに応える必要があり、若干、予定よりも進度が遅れている。
また、予算の都合から完成品のワークステーションを購入できなかったため、自ら部品毎に調達し、手作りを行ったのだが、購入した部品の初期不良等が頻発し、ワークステーションが計画通りに利用できなかったことにも原因がある。
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今後の研究の推進方策 |
現在、本科研費プロジェクトの枠組みの中で、大きく分けて3種類の異なる研究を実施中である。
現在、LIGO および Virgo は、O3 観測を実施中であり、日本の KAGRA もこの冬には観測に移行する予定である。そのため、観測的側面から得られる情報が劇的に増加することが見込まれるため、その情報が活かせるように、理論と観測がリンクした研究をメインに実施していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2015年9月に連星ブラックホール合体からの重力波が世界で初めて観測され、重力波の初観測が2017年のノーベル物理学賞を受賞したため、重力波の一般市民からの注目が非常に高い状態であった。そのため、各方面から一般向けの講演(アウトリーチ活動)の依頼が多く寄せられ、それに応える必要があり、国際会議などに参加する時間が確保することが厳しかったため、その費用を次年度に繰り越し活用する予定である。
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