超冷中性子(UCN: Ultra-Cold Neutron)とは100 neV程度しか運動エネルギーを持たない中性子を指し、物質容器内に閉じ込めておくことが可能となる。しかし、UCNはその容器中である寿命を持って減少する。UCNは容器表面に存在する水素原子による中性子吸収反応によって減少する。そこで、本研究では容器表面を真空ベーキングすることによって水素成分を除去し、UCN保持寿命を向上させた。100℃でのベーキングを行うことにより、ベーキングなしに比べて12%UCNの減少率を低下させることに成功した。また、それ以上の温度でのベーキングではUCNの減少率が変化しないことも分かった。
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