宇宙から飛来する素粒子(宇宙線)のうち、殆どの成分は通常の物質を構成するものと同種の粒子である。一方、通常の粒子とは逆の電荷をもつ反粒子も僅かに存在する。希少なゆえに検出困難な反粒子を高精度で観測するため、新型シリコン検出器を開発した。これまでにない大口径と厚みを兼ね備えた検出器の製造法を確立した。さらに、反粒子観測をターゲットとした気球実験など飛翔体実験では、検出器の冷却システムなどへ割けるリソースが限られる。省電力冷却システムで達成できる比較高温な環境でもシリコン検出器を使用できるよう、高温でのノイズ抑制法を開発し、実証した。
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