研究課題
2019年度の研究実績は(1)加速電子の条件を基にした放射数値計算のパラメータサーベイと提案中の太陽観測衛星Solar-C_EUVSTによる加速粒子診断可能性の検討、(2)Solar-C_EUVSTの観測波長の最適化と光学設計検討、 (3)加速粒子診断の他波長への応用 である。(1)2018年度までに開発した、任意の原子データ・電子分布における放射数値計算コードを用いて、加速粒子診断が可能である波長範囲を調査した。その結果、現在提案中の太陽観測衛星計画Solar-C_EUVSTにおいて加熱陽子診断が可能であることが示唆された。この結果は2019年日本天文学会秋季年会で報告した。また該当波長による診断が可能であるかを実験的に検証するため、核融合科学研究所共同研究に応募し、同研究所大型ヘリカル装置の実験時間を獲得した。(2)Solar-C_EUVST計画の科学および装置検討に参加し、本研究で得た加速粒子診断の知見を生かし、観測波長範囲の定義や光学設計を行った。将来高時間・高空間分解観測により、本研究課題で構築した診断手法を用いて、粒子加速問題の解決に活かせると考えられる。これらの検討結果はSPIEおよびHinode-13/IPELS国際研究会で報告した。(3)可視光観測などにおいても、本研究で用いた手法は応用可能である。2018年度に出版したHα線による偏光観測データの解釈に関する結果に加え、赤外カルシウム線による加速電子診断の可能性についてデータ解析及び考察を行った。これらの結果は日本地球惑星連合大会および原子分子データ応用フォーラムセミナーで報告した。
すべて 2020 2019
すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 3件、 査読あり 4件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 3件、 招待講演 2件)
The Astrophysical Journal Letters
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Proceedings of the SPIE
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