研究課題/領域番号 |
17K14317
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
物性Ⅰ
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
川上 洋平 東北大学, 理学研究科, 助教 (60731172)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 超高速ダイナミクス / 光誘起相転移 / 光強電場効果 / 光磁気効果 / 第二高調波発生 / 強相関電子系 / 有機超伝導体 / 量子スピン液体 |
研究成果の概要 |
高強度の極短赤外パルス光を用いて、強相関電子系の磁性/誘電性の超高速制御を実験的に検証した。自作の光源(パルス幅 <6 fs、瞬時電場強度 >100 MV/cm)を用いて、強相関電子系を対象に時間分解実験を行った。電荷秩序絶縁体α-(BEDT-TTF)2I3では絶縁体から金属への完全な光誘起相転移とそれに伴う強誘電性の消失(伝導性/誘電性の変化)、有機超伝導体κ-(BEDT-TTF)2Cu[N(CN)2]Brでは超伝導転移に敏感な誘導放出と第二高調波発生(光機能性)が観測され、キタエフ型量子スピン液体候補物質α-RuCl3では超高速磁気操作の可能性が示された。
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自由記述の分野 |
光物性
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
超伝導や強磁性、強誘電性、マルチフェロイクスといった特徴的な電気・磁気的性質を示す強相関電子系は次世代超高速エレクトロニクスを支える候補材料のひとつである。本研究では、その電子物性の超高速光制御を検証した。極限的な単一サイクル~サブサイクル光を用いた実験から、電荷秩序型有機物質における強誘電性の光消失、非BCS型有機超伝導体における非摂動論的な電荷駆動や新奇な光機能性を観測し、さらに、量子スピン液体におけるフェムト秒磁気操作の可能性も示された。これらの結果は、強相関電子系物質と高強度極短パルス光を組み合わせた次世代超高速エレクトロニクスの基幹技術の創生につながる。
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